海外業者選びのポイントの一つが、「金融ライセンス」です。
「金融ライセンス」がある業者は、企業として、一定の信頼性や安全性があると判断することができます。
海外FX業者は、日本の金融ライセンスはありませんが、その多くが、他国のライセンスを取得しています。
「金融ライセンス」は、金融監督機関によって、審査基準や規制内容も異なります。
そこで今回は、海外FX業者が持つ「金融ライセンス」について、徹底解説します！
Contents
金融ライセンスは、FX業者の安全性を測る重要ポイント！
金融ライセンスとは？
「金融ライセンス」とは、国の金融監督機関から、金融業を営むことを認可されることを意味します。
金融ライセンスがあるFX業者は、取得した国の金融監督機関によって、管理及び規制されることになります。
金融ライセンスを保持する業者、いわゆる「登録業者」は、企業として一定の信頼性があると評価できます。
一方、金融ライセンスを持たない「無登録業者」は、詐欺行為や倒産、顧客資産持ち逃げなどのリスクが高まる、と言って良いでしょう。
つまり「金融ライセンス」は、FX業者の安全性を測るための、重要な比較ポイントの一つであると言えます。
海外FX業者が日本のライセンスを取得しないのは、高レバレッジのため！
海外FX業者は、日本の金融庁の金融ライセンスを取得していません。
その為、「海外FX業者は無登録業者だから危険だ！」だと思っているトレーダーも少なくありません。
しかし、これは誤解です。
理由のひとつに、「高レバレッジ提供のため、あえて登録していない」ことが、挙げられます。
日本で金融ライセンスを取得すると、金融庁により様々な規制を受けますが、その一つが、レバレッジ規制。
国内FX業者では、最大レバレッジは25倍までと制限されています。
一方、日本のライセンスを持たない海外FX業者は、その規制外にあるため、25倍を超える高レバレッジもＯＫ！
つまり海外FX業者は、日本の金融庁に登録できないのではなく、あえて、「高レバレッジ」提供のために、登録していないのです。
二つ目の理由は、優秀な海外FX業者の多くが、他国の金融ライセンスを取得している「登録業者」であること。
しかも、登録基準が厳しい金融ライセンスを取得している業者もあります。
海外FX業者金融ライセンス一覧
日本で人気のある海外FX業者の、金融ライセンスをまとめてみました。
「主要海外FX業者の金融ライセンス一覧表」
| 海外FX業者名 | 金融ライセンス（日本人向け） | ライセンスの強さ | 金融ライセンス（グループ全体） | ライセンスの強さ |
|---|---|---|---|---|
| XM | FSA（セーシェル） | FSC（モーリシャス） | ||
| AXIORY | IFSC（ベリーズ） | なし | なし | |
| Titan FX | VFSC（バヌアツ） | FSC（モーリシャス） | ||
| iFOREX | BVI FSC（ヴァージン諸島） | ・CySEC（キプロス） ・ハンガリー | ||
| LAND-FX | FSA（セントビンセント・グレナディーン） | FCA（英国） | ||
| FBS | FSA（セントビンセント・グレナディーン） | ・IFSC（ベリーズ） ・CySEC（キプロス） | ||
| IFC Markets | BVI FSC（ヴァージン諸島） | CySEC（キプロス） | ||
| GemForex | FSC（モーリシャス） | なし | なし | |
| Bigboss | FSA（セントビンセント・グレナディーン） | なし | なし | |
| HFM（旧HotForex） | FSA（セントビンセント・グレナディーン） | FCA（英国） DFSA（ドバイ） FSCA（南アフリカ） FSA（セーシェル） CMA（ケニア） |
金融ライセンスの審査基準とは？
資金力、顧客資金の管理、リスク管理などをチェック！
金融監督機関は、金融ライセンスを認可する際に、投資家保護の観点から、FX業者へルールや規制を課しています。
しっかりとした認可基準を持つ金融監督機関では、主に以下のポイントで審査を行います。
＜金融ライセンスの審査項目＞
- 企業の資金力
- 顧客資金の管理体制（信託保全・分別管理）
- コンプライアンスを遵守するための体制
- 規制のチェック・リスク管理体制
- 顧客へのFX取引に関するリスク開示
まず業者が、金融業をきちんと営めるだけの十分な資金があるかをチェックします。
顧客から預かった証拠金をどのように管理しているかも、重要な審査項目です。
金融監督機関によっては、信託保全や分別管理を義務付けています。
さらに、コンプライアンス遵守や規制に対し、チェック＆リスクを管理する体制が整っているかを、チェック。
顧客へ、FX取引に関する注意事項やリスクに関する説明が十分になされているかも確認します。
審査基準の厳しさは、金融監督機関により異なる
金融ライセンスは、取得した国の金融監督庁により、認可の審査基準や規制内容が異なります。
当然、基準が厳しい金融ライセンスを保持する業者のほうが、企業としての信用力を高く評価することができます。
金融ライセンスの審査基準が厳しく、認可取得が難しいのは、以下の2つの金融監督機関です。
- 英国金融行動監視機構（FCA）
- キプロス証券取引委員会（CySEC）
世界でもっとも審査基準が厳格なのは、英国金融行動監視機構（FCA）です。
FX業者に万が一のことがあっても、金融サービス補償機構（FSCS）により、最大5万ポンド（約700万円）まで補償されます。
次に認可取得が難しいのは、キプロス証券取引所（CySEC）。
顧客資金は、ICF（投資家補償基金）によって、最大2万ユーロ（約240万円）まで補償されます。
上記のFCA（英国）とCySEC（キプロス）は、上限額があるものの、顧客資金が信託保全されており、信頼性が高い金融ライセンスです。
金融監督機関の種類とは？
主要金融監督機関一覧
主要海外FX業者が保持する金融監督機関を、見ていきましょう。
「主要金融監督機関一覧」
| 金融監督機関名 | 金融ライセンスの強さ | ホームページ |
|---|---|---|
| ASIC（オーストラリア） | https://asic.gov.au/ | |
| BVI FSC（ヴァージン諸島） | http://www.bvifsc.vg/ | |
| CIMA（ケイマン） | https://www.cima.ky/ | |
| CySEC（キプロス） | https://www.cysec.gov.cy/en-GB/home/ | |
| FCA（英国） | https://www.fca.org.uk/ | |
| FMA（ニュージーランド） | https://fma.govt.nz/ | |
| FSA（セーシェル） | https://www.fsaseychelles.sc/ | |
| FSA（セントビンセント・グレナディーン） | http://svgfsa.com/ | |
| IFSC（ベリーズ） | https://www.ifsc.gov.bz/ | |
| MFSA（マルタ） | https://www.mfsa.com.mt/ | |
| VFSC（バヌアツ） | https://www.vfsc.vu/ | |
| FSC（モーリシャス） | https://www.fscmauritius.org/ |
審査基準が厳しさを表したのが、「ライセンスの強さ」です。
ライセンスが強い方が、信頼性が高いと判断できます。
金融監督機関のHPでライセンスを確認しよう！
疑わしい場合は、ライセンス番号をチェック！
残念ながら海外FX業者の中には、法人登録番号を、「ライセンス番号」としてHPに記載するところもあります。
これは、登録業者のように見せかけるため。
金融ライセンスの証明書をHP上に載せている業者の方が、安心です。
疑わしい場合は、金融監督機関のホームページで、業者名を検索することをおすすめします。
検索しても何も情報が出てこない場合は、虚偽の掲載をしている可能性が高いでしょう。
ライセンス番号の検索方法
FX業者のライセンスを確認する手順は、以下の通りです。
- 金融監督機関のホームページに行く
- 検索ウィンドウに、業者名を入力する
- ライセンス番号（license number）を確認する
まずは、該当する金融機関のHPに行きます。
上記の「主要金融監督機関一覧」に「URL」を記載していますので、参照してください。
次に、検索ボックスに業者名を入力。
FX業者によっては、「サービス名」と、金融ライセンスを取得している「運営会社名」が、異なる場合があるので、注意してください。
わからない場合は、業者のHPで確認するか、問い合わせをした方がよいでしょう。
業者名がヒットした場合は、ライセンス番号を確認します。
【例】HotForexのライセンスを検索
実際に、HotForexのグループ会社のライセンスを、確認してみましょう。
※2023年現在、Hotforexは「HFM」にブランド名を変更。
金融ライセンスも「CySEC（キプロス証券取引委員会）」から「FSA（セントビンセント・グレナディーン）」他に変更されています。
HotForexのグループ会社名である、「HF Markets」を、検索ボックスに入力します。
HotForexのグループ会社である、「HF Markets (Europe) Ltd 」と「HF Markets (UK) Limited 」が表示されます。
マイナーランセンスとは？
マイナーライセンスの特徴
「マイナーライセンス」とは、世界的にはあまり知られていない金融ライセンスのこと。
審査基準や規制が甘く、簡単に取得できることが、特徴のひとつです。
＜マイナーライセンスの例＞
- ベリーズ国際金融サービス委員会（IFSC）
- セーシェル金融庁（FSA）
- バヌアツ金融サービス委員会(VFSC)
- 英領ヴァージン諸島金融サービス委員会（BVI FSC）
- セントビンセント・グレナディーン金融サービス庁（FSA）
- マルタ金融サービス庁（MFSA）
- ケイマン諸島金融庁（CIMA）
マイナーライセンスの場合は、「外国籍の企業は税金が軽減またはゼロ」となる、税制優遇措置を取っている国が多いのも特徴。
「オフショアブローカー」と呼ばれる、金融ライセンスを取得した国とは別の国に本社を持つ、海外FX業者もあります。
日本人向けはなぜマイナーライセンスが多いのか？
主要海外FX業者の日本人向けの金融ライセンスは、マイナーライセンスが多いのが、現実です。
その理由は、主に2つあります。
- 審査基準の厳しい金融ライセンスを取得するだけの、企業の資金力や体制がない
- 金融監督機関によっては、日本居住者と取引することを禁止している
日本トレーダーからも人気で、優良な海外FX業者に多いのが、②のケースです。
【XMの例】
2015年まで、日本人向けにも、信頼性の高いCySEC（キプロス）のライセンスを取得
↓
日本の金融庁の要請を受け、CySECは、日本居住者の受け入れを停止することを決定。
↓
2016年より、日本人向けに、あらたにFSA（セーシェル金融庁）を取得し、現在に至る
XMのように、金融監督機関が突然、日本人居住者を受け入れなくなったため、ライセンスを変えるケースは、少なくありません。
たとえ優秀なFX業者であっても、日本人向けには、マイナーライセンスを取得せざる得ない事情があることを、覚えておいてください。
マイナーライセンスは日本市場撤退リスクが低い
マイナーライセンスを取得している海外FX業者でトレードすることには、メリットもあります。
その一つが、突然、日本市場から撤退を余儀なくされるリスクが低いこと。
最近では、日本の金融庁の圧力もあり、英国や欧米各国などで、日本居住者の口座開設を禁止する動きが強まっています。
そのため、信頼性の高いライセンスを持ち、日本でも人気の高かった海外FX業者が、突然、撤退勧告を受けた例が少なくありません。
日本の金融庁とのつながりが薄いマイナーライセンスであれば、こういった突然の日本市場撤退リスクが低くなるのです。
安全性はライセンスだけでは判断できない？
海外FX業者の安全性を見極めるために、ライセンスの有無や強さを確認することは、有効な手段です。
しかし上述したように、マイナーライセンスを取得せざるを得ない事情があることも事実。
したがって、ライセンスだけでは、業者の安全性を正しく見極めることは難しいでしょう。
顧客資金の保全体制、運用歴など、他のポイントも加味して、判断することが重要です。
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XMについて
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- 日本人向け・・・FSA（セーシェル金融庁）
- グループ全体・・・FSC（モーリシャス金融サービス委員会）
2015年までは日本人向けに信頼性の高いCySEC（キプロス）を取得していましたが、日本の金融庁の要請を受けてFSA（セーシェル）に変更。
グループ全体ではFSC（モーリシャス）を取得しています。
FSC（モーリシャス）はマイナーながら、法的な根拠を元に発行されることや取得企業に対して規制・監視することなど、しっかりと明確化された信頼性のあるライセンスです。
近年、アフリカへの進出を視野に入れ、Titan FXやGemForexも取得しています。
以前のように強いライセンスではなくなりましたが、XMの実績で安全性は証明されています。
これからますますの信頼性向上と取引サービスの拡大が期待できるでしょう。
② LAND-FX
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- 日本人向け・・・FSA（セントビンセント・グレナディーン金融サービス庁）
- グループ全体・・・FCA（英国金融行動監視機構）
日本人向けには、マイナーライセンスのひとつであるFSA（セントビンセント・グレナディーン）を取得。
グループ全体では、FCA（英国金融行動監視機構）を保持しています。
FCA（英国）は、世界でもっとも審査基準が厳格と言われるライセンスであることから、LAND-FXは信頼性の高い業者と言えるでしょう。
ライセンスにも注目して、自分に合った海外FX業者を選ぼう！
海外FX業者の安全性を判断するには、「金融ライセンス」にも注目することが重要です。
金融ライセンスは、世界の国々の金融監督機関によって認可されるものですが、その審査基準や規制内容は、異なります。
当然、取得が難しい金融ライセンスほど、安全性も高くなります。
残念ながら、海外FX業者が日本人トレーダー向けに保持するのは、基準の甘いマイナーライセンスが多いのが現実。
しかし中には、基準の厳しいライセンスを取得できるだけの資金や体制があっても、規制により、マイナーライセンスを取得せざるえないことも。
そこで、日本人向けの過去に獲得したライセンスや、グループ全体のライセンスなどにも注目して、優秀な海外FX業者を選びましょう。
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