海外FX会社で取引していたとしても、日本に居住している限りは納税義務が発生します。
海外FXで利益が出た場合、どのような方法で税額を知り納税すればよいのでしょうか。
ここでは海外FXの確定申告について徹底的に解説します。
海外FXの税金を徹底解説！国内FXと海外FXの税金の違いは？
Contents
海外FXも確定申告が必要！
海外FXの確定申告とは
日本の金融庁の認可を受けていない海外FX会社で、年間を通して利益が上がった場合には、税金はどうなるのでしょう。
日本ではなく、他の国の金融庁の認可を受けているので日本では税金を払う必要がないのではと考えてしまいがちです。
もちろん、そのような事実はなく、日本に居住してFX取引を行う限りは利益に対しては納税義務が課せられています。
ただし、注意すべきは、課税方法が日本の金融庁の認可を受けているFX会社と受けていない海外FX会社では異なります。
ですので、認可を受けていない海外FX会社などの場合には、総合課税の雑所得となります。
海外FX会社で取引して、1月1日から12月31日まで年間を通して利益がでます。
給与所得者は年間20万円以上、それ以外の方は48万円以上の利益が出た場合、必ず確定申告が必要です。
年間を通して上記以上の利益があった場合は、翌年の2月16日から3月15日までに忘れずに確定申告しましょう。
確定申告しなくてもよい人
結論から言うと、年間利益が20万円以下だと確定申告の必要はありません。
ここでいう利益とは、課税対象となる利益のことで、海外FX会社での取引で出た年間利益から必要経費を除いた金額となります。
給与所得者の場合なら、年間利益が20万円以上出ていても必要経費を差し引くと20万円以下になるのなら確定申告する必要はありません。
国内FX会社とは異なり、日本の金融庁の認可のない海外FX会社などには損失の繰り越しも認められていません。
ですので、年間を通して損失が出ている場合にも確定申告する必要はありません。
海外FXの確定申告を手書きでする場合
確定申告をするには、手書きで行う方法と国税庁HPから作成する方法があります。
まずは手書きで行う方法を説明します。
事前に準備する書類
・源泉徴収票（給与所得者）
確定申告には、FXによる収益だけではありません。
すべての収支を記載して申告する必要があり、給与所得者の場合には源泉徴収票が必要となります。
・各種控除を受けるための証明書
特定の条件を満たしている場合に、所得から差し引かれる扶養控除や医療控除などを受けるため、各種の控除の証明書も用意しておく必要があります。
・年間の取引報告書
FX会社の年間取引報告書（年間損益計算書）も用意しておきましょう。
年間取引報告書は添付しなくても問題ありませんが、FXの所得額を確認するために必要です。
それぞれFX業者のマイページやMT4などから、簡単にダウンロードすることができます。
添付画像は、ＸＭの年間取引報告書をＭＴ4からダウンロードしたものです。
・経費の領収証
経費の領収書は、正確な課税所得を計算するために必要なものですから、普段からきちんと準備しておきたいものです。
領収書には、日付や使用目的なども簡単にメモしておくと後々役に立ちます。
年間取引報告書と経費の領収書を用意しておくと、後日に税務調査が入った際などには問題なく税務署の方に説明できますので、非常に重要な書類となります。
2種類の申告書
確定申告書には、確定申告書Aと確定申告書Bがあり、給与所得者はAをそれ以外の方はBを選択します。
この申告書は、国税庁公式HPから印刷することができます。
確定申告書Ａ（給与所得者対象）
確定申告書Ｂ（給与所得者以外はこちら）
記入方法
国税庁のHPから確定申告書を印刷したら、必要事項を記載していきます。
海外FXの利益を記入する場合に注意すべきポイントは、「収入」には海外FXから得たすべての利益を記入し、「所得」には「収入」から経費を引いた課税対象となる金額を記入します。
例えば、年間で500万円の利益で経費を100万円計上する場合には、「収入」に500万円、「所得」に400万円と記入することになります。
海外FXの税金は総合課税の雑所得ですから、「収入」「所得」のそれぞれ雑と書かれているところに数字を記入します。
【収入の内訳】
確定申告書Ａは、【雑】のその他㋒
確定申告書Ｂは【雑】のその他㋗
【所得の内訳】
確定申告書Ａは、【雑】のその他㋒
確定申告書Ｂは【雑】の⑦
次に、それぞれの裏面に記入します。
裏面では、表面に記入した収入や所得の関係を経緯を含めて記入します。
【所得の内訳】
「所得の種類」・・・雑所得であることをしますために「雑」と記入します。
「種目・所得の生ずる場所又は給与などの支払者の氏名・名称」・・・利用した海外FX会社名を記入します。
「所得税及び復興源泉所得税の源泉徴収税額」・・・源泉徴収されていないので「０」と記入します。
【雑所得・総合課税の配当所得・譲渡所得・一時所得に関する事項】
「所得の種類」・・・雑所得なので「雑」と記入します。
「種目・所得の生じる場所」・・・所得の内訳と同じなので「上記のとおり」と記入します。
「差し引き金額」・・・純利益である「所得」となります。
確定申告書Ａ
確定申告書Ｂ
海外FXの利益に関係するのはここまでとなりますので、その他の項目も記入ましょう。
海外FXの確定申告を国税庁HPで作成する場合
確定申告は、国税庁のHPから作成すると非常に簡単に申告することができます。
国税庁の確定申告書作成ページはこちらから
入力方法
国税庁HPから確定申告書を作成するには、e-taxと書面提出の2通りの方法があります。
それぞれメリット・デメリットがありますので、自分に適した方法を選択して確定申告書を作成しましょう。
e-taxは、国税庁HP上で確定申告を完了でき、添付書類も省略できるという非常に便利な方法です。
マイナンバーカードをお持ちの方で、マイナンバーカード読取対応スマートフォンまたはICカードリーダーがある方、税務署で発行されたID・パスワードをお持ちの方が利用可能となります。
書面提出の場合は、国税庁HPで入力した書面を印刷して税務署に郵送する方法です。
どちらの方法も入力する内容は同じですから、自分に適したほうを選択できますが、ここでは書面提出の方法で説明します。
まず、国税庁HPの確定申告書作成コーナーにいくと次の画面が出てきますので「作成開始」をクリックします。
作成開始をクリックすると、提出方法を選択するページに進みますので、自分に適したほうに進みます。
次に、利用するパソコン環境の確認を行うページが開きます。
チェックを入れてパソコン環境に問題がないかを確認し、利用規約に同意します。
これで事前準備完了となり、次に作成したい年号の申告書の作成を選択。
すると、作成する申告書等の選択が表示されますので、「所得税」を選択します。
「次に進む」をクリックします。
次のページでは、提出方法の選択、生年月日を入力、申告に関する質問に答えていきます。
これで基本事項の入力は完了となり、次ページからいよいよ所得を入力していきます。
所得を入力する
次のページからは、給与所得者の場合には会社から入手した源泉徴収票を用意して、給与所得や各種の控除を入力します。
自営業者など給与所得者でない場合には、事業所得を入力します。
給与所得を選択した場合には、源泉徴収票に記載されている支払金額、各種保険料・控除額、控除対象者の有無等、源泉徴収額、会社の住所と名称などを入力します。
入力が完了したら「入力終了ボタン」をクリックします。
次に、海外FXからの利益である雑所得を入力します。
ここで実際の利益を入力していきますが、以下のように入力していきます。
- 種目：「その他」を選択し、「証拠金取引」と入力
- 業務に該当しますか：「いいえ」を選択
- 収入金額：各海外FX会社ごとの年間利益（収入）
- 必要経費：各海外FX会社ごとの年間経費
- 源泉徴収税額：未記入でOK
- 所得の生ずる場所：海外FX会社の本社所在地
- 報酬などの支払者の氏名・名称：海外FX会社名
- 業務に該当しますか：「いいえ」を選択
入力が終わったら「入力終了」をクリックします。
入力が終了すると次の画面上に、総年間利益（収入）から必要経費を差し引いた金額（所得）が表示されますので、間違いがないことを確認して「入力終了」をクリックします。
これで海外FXによる利益の入力は完了となります。
最後に、住民税、氏名、住所を入力すると入力事項はすべて終了となり印刷して税務署に郵送します。
確定申告書を印刷する
印刷する帳票にはチェックが入っていますので、「帳票表示・印刷ボタン」をクリックすると確定申告書がPDFでダウンロードされます。
PDFを開いて内容を確認し、問題なければ印刷して税務署に郵送します。
e-taxを選択した場合には、同様の内容の確定申告書が税務署に直接データとして送信されることになります。
忘れずに！確定申告しましょう
日本に居住する限り、ハイレバレッジの海外FX会社で年間通して利益が発生した場合には納税義務があります。
会社員の場合には年間20万円以上、それ以外の場合には48万円以上の利益が出たら確定申告をする必要があります。
確定申告は、1月1日から12月31日までに発生した利益に対して行われ、翌年の2月16日から3月15日までに行います。
申告には手書きと書類提出の2つの方法があり、手書きの場合は、給与所得者は確定申告書A、それ以外の方は確定申告書Bに記入します。
書類提出の場合には、国税庁のHPから入力して行い、HP上で申告を完了できるe-taxと印刷して郵送する書類提出のどちらかを選択します。
FXをトレードするのは利益を上げることが目的ですが、利益が出たら納税するのが国民の義務となりますので、海外FXの確定申告についてもしっかりと理解しておきたいものです。
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