FXトレードで儲かった利益には、もちろん税金がかかることになります。
ところが、国内FXと海外FXとではかかってくる税金が異なっています。
日本でトレードするのに何故税金が違うのかとも思うのですが、かと言って、知らなかったでは済まされないのが税金です。
海外FXと国内FXでは、税金はどのように異なっているのか徹底的に考察していきましょう。
Contents
海外FXの税金と国内FXの税金の違いは税制が違う!
国内FXは申告分離課税
国内FXでFXトレードをする場合の税制は申告分離課税となり、給与等の他の所得とは分離して税額を計算します。
申告分離課税の税率は、一律20.315%{一律20%+(所得税15%+住民税5%+復興特別所得税)}となります。
海外FXは総合課税(雑所得)
これに対して、海外FXの税金は申告分離課税ではなく、稼ぐほどに税率が高くなる総合課税の雑所得となります。
総合課税とは、他の所得と合算して税金を計算する制度で、利子所得・配当所得・事業所得・不動産所得・給与所得・譲渡所得・一時所得・雑所得の8つの所得を合算します。
海外FXの税金は、これら8つの所得を合算して総所得金額を計算し、そこから所得控除(基礎控除、配偶者控除、社会保険料控除、医療控除など)を差し引いた金額が課税対象となり、その金額に所得税の税率を掛けて控除額を引いた金額となります。
税金 = 課税所得金額 × 税率 - 控除額
となります。
税制が異なる理由とは
同じ日本人トレーダーがFXトレードをするのに、国内FXと海外FXではどうして税制が異なるのでしょうか。
簡単に説明すると、国内FXは日本の金融庁の認可を受けていますが、海外FXのほとんどが金融庁の認可を受けていないからです。
現行の金融商品取引法では、外国金融商品市場で行われるトレードは国内の店頭デリバティブとは別物として扱われますので、他の所得と分離した申告分離課税は適用されずに総合課税の雑所得扱いとなっているのです。
すでにお分かりの方も多いでしょうが、海外FXが金融庁の認可を受けないのはレバレッジ規制を免れるためです。
国内FXや海外FXでも金融庁の認可を受けている会社でトレードすると申告分離課税、ハイレバレッジが可能な海外FXでトレードすれば総合課税となります。
税率から見ると、195万円以下の利益の場合には海外FXの総合分離課税のほうが有利な税率となりますが、330万円を超えると国内FXの申告分離課税のほうが圧倒的に有利になってきます。
それでは195万円から330万円までは国内FXも海外FXも同じなのでしょうか。
答えはNoです。例えば、300万円の利益が出たケースでは、海外FXのほうは195万円までは15%、残りの105万円が20%となり、国内FXの300万円に20.315%より有利なものとなります。
海外FXで330万円を超える収益が出た場合には、国内FXに資金を移してトレードするほうが税制上はお得になります。
ただし、これは主婦や専業トレーダーのようにFX以外の所得がほとんどないという人のケースで、会社員などのように給与所得だけで課税対象が大きくなる場合には当てはまりません。
合算すべき所得がある場合には、すべて合算したうえで計算する必要があります。
国内FX
申告分離課税の税率は一律20.315%
海外FX
課税所得 | 所得税率 | 住民税 | 控除額 | 復興特別所得税 |
---|---|---|---|---|
195万円未満 | 5% | 10% | 0円 | 一律2.1% |
195万円超~330万円未満 | 10% | 10% | 97500円 | |
330万円超~695万円未満 | 20% | 10% | 427500円 | |
695万円超~900万円未満 | 23% | 10% | 636000円 | |
900万円超~1800万円未満 | 33% | 10% | 1536000円 | |
1800万円超~4000万円未満 | 40% | 10% | 2796000円 | |
4000万円超 | 45% | 10% | 4796000円 |
(2023年6月現在)
国内FXの損益通算とは
申告分離課税の国内FXの場合には、同じ申告分離課税扱いの雑所得と損益通算することができます。
日経225などの先物取引、オプション取引などとの損益通算が可能です。
例えば、FXトレードで100万円の利益が出ているケースで、日経225取引では50万円の損失が出ていると損益通算により課税対象は50万円となります。
このケースでは、本来100万円に20.315%の税金かかかるところが、半分の50万円にかかりますので10万円ほど税金が少なくなります。
ちなみに、株式の損失とは損益通算できません。
海外FXの損益通算とは
海外FXによるトレードの損益については、国内FXや日経225などの先物取引、オプション取引との損益通算はできません。
前述のように、理由は申告分離課税扱いではないからです。
ただし、海外FXでも総合課税扱いの雑所得とは損益通算することが可能です。
この場合の雑所得とは、日本の金融庁の認可を受けていない他の海外FXでの利益、公的年金、原稿料、印税、講演料、アフィリエイト収入、ネットオークションの売り上げなどとなります。
日経225先物で損失が出ているケースでは
例えば、先ほどの例でFXトレードにより100万円の利益が出ていて、日経225で50万円の損失が出ている場合には、国内FXと海外FXでは税金にどのくらいの差が出るのでしょう。
国内FXの場合には、損益通算が利用できますので50万円の利益に20.315%の税率がかかります。
これに対して、海外FXでの利益の場合には日経225との損益通算が利用できませんので100万円の利益に対して15%の税率がかかります。
このケースでは、国内FX利用のほうが48,425円お得となります。
FXトレードでの利益が190万円のケースでは、税率の違いから損益通算を利用しても国内FXと海外FXの税金額はほぼ同じとなります。
海外FXでは損失繰り越しができない!
国内FXの損失繰り越し
国内FXや株式の場合には年間で損失が出た場合には確定申告することで3年間損失を繰り越すことが認められており、翌年以降に利益が出た際に税金を抑えることができます。
例えば、2016年度にFXトレードでトータル300万円の損失が出た場合には、2017年から3年間でFXトレードにより300万円の利益が出たとしても申告分離課税の税金はゼロ円となります。
本来であれば、300万円の利益に20.315%の税金がかかることになるのですが、300万円の損失を繰り越せますのでこのケースでは税金は発生しません。
ただし、自動的に損失が繰り越されるわけではなく、確定申告することが必要ですので、損失が出た場合でも将来のためにしっかりと申告しておきましょう
海外FXでは損失は繰り越せない
これに対して、日本の金融庁の認可を受けていない海外FXの場合には、この損失繰り越しも認められていません。
海外FXで損失が出た場合には確定申告する必要はないということです。
レバレッジ規制を受けない海外FXでは損失繰り越しの特典は受けられないということですね。
個人トレーダーの多くは損失を出していますから、国内FXでトレードをしていてきちんと確定申告をしている限りはその損失分までは国内FXを利用したほうがお得です。
しかし、損失が出ていても確定申告していなければ損失繰り越しはできませんので、自分にあった会社でトレードするのがよいでしょう。
海外FXと国内FXではどちらがお得なのか!
330万円がボーダーライン
税率だけを見れば、FXトレードによる利益が330万円を超えるところがボーダーラインとなります。
330万円を超えるところから所得税の累進課税が30%となりますので、国内FXの20.315%より約10%高い税率となります。
課税所得が、海外FXからの所得がほとんどというケースでは330万円までは、低い税率によるメリットを享受できますが、他に合算すべき所得がある場合には総所得金額から判断しなければなりません。
海外FXの税金は経費がポイント
実際のトレードにおいては、何かとメリットの多い海外FXなのですが、こと税金ということになりますと日本の金融庁の認可を受けていないということで、他の所得と合算する総合課税の雑所得扱いとなってしまいます。
雑所得は、所得が多いほど税率が高くなり累進課税方式ですから、他の所得と分離された申告分離課税と比べると多くの経費が認められる可能性があります。
課税所得金額にもよりますが、海外FXの税金のポイントはどこまでが経費扱いとして認められるかということになります。
国内FXのメリットは損益通算と損失繰り越し
税率については、稼げるトレーダーという条件がありますので、むしろ、国内FXのメリットとはレバレッジ規制の特典ともいえる損益通算と3年間の損失繰り越しにあると言えるでしょう。
しかし、これらのメリットがあるにもかかわらず、日本人トレーダーの多くが海外FXに口座開設しています。
これは、海外FXのハイレバレッジのみならず、顧客との利益が相反しないNDD注文方式、追証ゼロシステム、スリッページもない高い約定力などによりメリットを感じている日本人トレーダーが増えているせいでしょう。
海外FXの税金についてのまとめ
FXトレードで税金を支払うのは、トータルで利益が出てからの話とはなりますが、税金のことは知らなかったから損をしたということがないようにしたいものです。
FXトレードで利益を出すための努力に比べれば、税金は簡単に知ることができますのでしっかりと理解しておきましょう。
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